グランドデザインコンテスト

現代住環境

第5章 戸建住宅向けの床暖房と夜間電力

5-3 実際の床暖房の運転方法

それでは、床暖房を導入した場合の具体的な運転を方法を見てみよう。例えば、関東西部地方で秩父山脈が真近に見られ冬季は−10℃程度まで温度が下がる場合がある地域の一般的な住宅を参考にしてみよう。床暖房の温水循環ポンプのスイッチをオンにする事で温水蓄熱槽のお湯がポンプで床下へ送水されるシステムになっている。スイッチを入れている時間帯を調べてみると、早朝5:00にオンし普通の天候であれば午前10:00に一旦オフにする。再び午後3:30にオンにして夜10:00にオフにするサイクルで暖房運転を一週間タイマーで運転している。一日の床暖房の運転時間は合計で11時間30分である。床暖房の運転は小型モーターで駆動される循環ポンプのオン/オフで行えるので簡単であり、安全であると言える。

著者の自宅は25年前に建て直した、その折に温水循環型の床暖房と熱源に温水蓄熱槽と夜間電力を利用した方式で設備導入した。配管は全て銅パイプを使用した施行である。今までに故障や水漏れなどの不具合は起きていない。ただ一度、消耗品と位置付けている温水循環用の小型マグネットポンプ(40W)が不調になり交換した経緯があるが、これは故障ではなく保守点検プログラムの範疇に入るルーチンサービスである。 このように、耐久消費材として設備導入する場合には, その設備の定期保守、消耗品交換などのメインテナンス・プログラムがメーカー側に用意されているか、必要に応じて設備の保守点検を一括で依頼する委託保守契約などもメーカーサイドに用意されているのかも併せて調べておく事は重要である。

最後に、最近では床暖房の快適さがかなり普遍的と言えるほど知れ亘ってきたこともあり、住宅メーカーが純正オプションとして販売を始めたり、またサードパーティ会社が各種の暖房パネルを販売したりして市場に多くの製品が出回っている。著者が調査できた範囲で各社の製品を参考までに表-2に纏めてみた。これを参考に読者が床暖房の選考の参考しにしていただければ幸甚に思う次第である。

表中の横軸(X軸)には多くの項目を網羅して性能・機能などが細かく評価できるように配慮した。そして、評価を点数に置き換えられるところは3点法で加点してみた。其れは、その項目の評価が良いは3点、普通は2点、悪い・不可は1点とし著者の判断で点数を入れてみた。

どれを選ぶかは読者の方々の自由であるが、表2を参照いただければ自ずから選ばれるべき床暖房方式が分かってくるはずで、この表が読者の方々の参考になれば甚だうれしく思うしだいである。

表2

表2

画像をクリックすると「表2」のPDFが見られます。

(禁無断転写・転用、原表:大郷,2009)

 


矢印おわりに

矢印INDEXへ戻る

 

グランドデザインコンテスト事務局